毎年の夏の悩み、わきが。

なぜこんなにニオってしまうのか。
なぜ私たちだけ「わきが」なのか。
解決する方法はないのか。

我々の住まうを悪臭地獄から脱却すべく、その原因を調べてみました。

わきがはツライ

「わきが」は、本当にツラいです。
同じ「わきがキャリアー」の方なら、この気持ちがわかるかもしれません。

周囲の目に(というか鼻に)気を配り、終始身の回りの清潔さを意識し、必要以上の対策を強いられる。

いっそのこと
「私、ワキガでーす」とか
「お前、ワキガな!」とか
言ったり、言われたりした方が、いっそ楽かもしれない。

自分では分かりづらい

「わきが」のツラさは、「自分ではさほど感じない」という事にあるかもしれません。
もちろん、ニオイの存在自体は知覚できますが、第二次性徴期から発生するというそのニオイを、今さら「悪臭」とは思えません。

しかし、自分以外の人にとっては紛れもない悪臭。
さらには、自分では
「どれくらい臭いのか」
「どれくらい我慢しがたいニオイか」
が分かりません。

分からないものに思い悩み、逡巡とするのは思いのほか、精神的なダメージを追ってしまいます。

遺伝してしまうもの

「わきが」の発現原因は、遺伝と言われています。

「アポクリン汗腺(かんせん)」という「汗の分泌腺(ぶんぴつせん)」から出る汗が、原因となっています。
この汗に含まれる物質が引き金となり、悪臭が発生します。

この「アポクリン汗腺」の数(器官としての数)や分泌量は「遺伝によって」決まってしまいます。
しかも優性遺伝というから、我々の絶望は確定的になってしまいます。

「わきが」の発生原因について詳しくはは、こちらの記事にまとめています。
意外と知らない「わきが」の基礎知識 – わきが対策.com

※分泌腺…体内から何かしらを「分泌」するための器官のこと。汗や涙、唾液などがあたります。
※優性遺伝…親の代から子の代へ「現れやすい個性」を指さします。一方、現れにくい遺伝は「劣性遺伝」。

わきがのメカニズム

「わきが」の原因が父祖より連綿と受け継がれてきたことは分かりました。
しかし、なぜ「アミノ酸」が「常在菌」によって分解されることが、悪臭の原因になるのでしょうか?

もう少し詳しく見てみましょう。

無臭のアミノ酸が悪臭に!

実は、アポクリン腺やエクリン腺を含め、ヒトの汗腺から分泌される汗は、元々無臭なのだそうです。

それを悪臭に変えてしまうのは、ヒトの表皮に存在する「常在菌」の仕業。
「常在菌」とは、人体の外部(腸内など、消化管も含む)に存在する菌のことを指します。

常在菌、とひとくくりに総称で呼ぶのは、その実情は人それぞれだからです。
地域や生活習慣、風習や家系によっても変わってくるでしょう。
多くの人がもつ雑多な菌、それが常在菌です。

正体が明確につかめないのでは、それ以上解明しようがないですね;

しかし、どんな物質が原材料となり、においの原因となっているかは、分かってきているそうです。

※エクリン腺…哺乳類のうちヒトにのみ発達した汗腺。アポクリン腺とは違い、水分とミネラルのみを分泌します。器官の大部分が退化しており「小汗腺」と呼ばれます。

悪臭の物質とニオイの関係

「わきが臭」の中でも特に強烈とされる「スパイシー臭」「脂肪酸臭」「硫黄臭」の3つは、以下のような物質が原因となっています。

スパイシー臭の原因物質

3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸(分子式:C7H14O3 / 2002年、花王が発表)
この臭気物質は、「グルタミン(アミノ酸の一種)」と結合した状態分泌されることが分かっています。
(2003年、ジボダン社〔スイス〕報告より)

古い雑巾臭(脂肪酸臭)の原因物質

3-メチル-2-ヘキセン酸(分子式:C7H12O2 / 1991年、モネル研究所〔アメリカ〕が報告)
この物質も2003年、ジボダン社〔スイス〕の報告により、グルタミンが結合した状態で、汗腺より分泌されることが分かりました。

硫黄臭の原因物質

3‐メチル‐3‐スルファニルヘキサン‐1‐オール(分子式: / 2003年、花王が報告)
この物質は、分泌物として「システイン」が結合した状態で分泌されていたことが、2007年花王の発表により明らかにされました。

以上のように、既に原因となる物質は特定できているわけです。
流石は文明の利器、というべきでしょうか。

わきが対策には科学の力?!

原因菌が分かっているなら、それを解決する方法も文明の力に頼るべきなのでしょう。
最新の科学的ワキガ対策について調べてみました。

悪臭物質に直接作用する成分は?

期待を胸に調査を進めましたが、残念ながら「これらの物質に直接的に作用する」ようなワキガ対策は、現在は実用化されていないようです。

門外漢であるため素人の勘繰りですが、これらの物質に「直接作用する成分」はまだ開発されていない、という事でしょうか?

ともあれ、科学的な方策としては、従来型の「制汗剤」に頼るしかなさそうです。

制汗剤がしてくれること

制汗剤には、主に2種類の効果が期待できます。

  • 常在菌を殺菌し、分泌物質の分解を抑えること。
  • 収れん作用により汗の噴出孔を引き締め、汗の分泌を抑えること。

メーカーやシリーズによって、成分の内容や配合に差はありますが、基本的には以上の組み合わせで構成されているようです。

私も愛用している制汗剤も調べてみました。

デ・オウ 薬用プロテクト デオドラントロールオン〔ロート製薬株式会社〕の有効成分

  • ベンザルコニウム塩化物
    殺菌成分として表記されています。陽イオン界面活性剤の一種で、殺菌・消毒剤の主成分として用いられます。
    石鹸など「陰イオン界面活性剤」と併用すると、その効果は減退。
  • パラフェノールスルホン酸亜鉛
    制汗成分として表記。収れん剤(収斂剤)の一種で、皮膚のタンパク質と結合し皮膜を作ります。

以上のように、的確な有効成分を配合することで、制汗効果・わきがの消臭効果(防臭というべきでしょうか?)を実現しているわけですね。

まとめ

今回の調査では、
「わきがの根絶」または
「わきがの完全消臭」
に繋がるような有効な情報は見られませんでした。

しかし、効果の如何をいぶかしがっていた制汗剤に、しっかりとした機能性があるのだと分かりました。
殺菌成分や収れん成分の配合はメーカーによって違うようですから、使用者との相性もあると思います。

ぜひ、裏面の配合成分にも目を配り、使い比べてみてはいかがでしょうか?

参考文献